咲哉side




目を覚まし、状況を思い出す。


「茅……」


そうだ。茅が来てくれて……。



上半身を起こすと、俺のベッドにうつ伏せて寝ている女がいた。


両親は共働きだからこんなに早く帰ってこない。


寝起きでぼやけていた視界が晴れ、
その女がやはり茅だったと分かった。



気持ち良さそうにスヤスヤ眠る茅。



俺の体調もずいぶんマシになった。



茅の規則正しい寝息が俺の理性を揺らす。



茅は自分を可愛くないと思ってるけど、
俺はかなりレベルは高い方だと思う。


ぱっちりした二重にふんわりした茶髪。
柔らかい輪郭に白い肌。



眠る茅の頬に自分の手を添える。


これで起きないとかどんだけ爆睡だよ……。