「環方くん……ご飯……。いいの?」


「いらないってば。ここにいて。」



環方くんは自分のベッドの中に潜っていった。



「熱、計ったほうがいいよ?」



床に置かれていた体温計を環方くんに差し出す。


環方くんは大人しく私の指示に従った。



ホントに体調悪そう……。



「私冷えピタ持ってきたんだけど、貼る?」


「ん……」



私は冷えピタのフィルターをはがし、
環方くんのおでこにはってあげた。



「39.0℃……」


「えっ、高!」



ホントにただの風邪?



「環方くん、何か欲しいものない?」


「…………。

手、握って。」



環方くんの熱い手を握った。


「……つめてーな。夏なのに。」



「うん……。」



久しぶりに環方くんに触れた。