ピンポーーン……



って、あ!

当たり前のようにインターホン押しちゃったけど、

まさかお母さんとかいらっしゃるの!?


どうしよう……。

別に彼女とかではないけど、
まだ心の準備が……っ


『茅。開いてる。入って。』


インターホンから聞こえる環方くんの声にとりあえずホッとする。



ドアを開け、家の中を覗く。



「おじゃましまーす……」



家具も壁紙もシンプルで、落ち着く家だった。


奥に入っていき、環方くんの姿を見つけた。


キッチンで水を飲んでいた。




「あ、環方くん……
風邪、へーき?」


「んー……ダルい。」


「お腹空いてない?お粥とかつくろーか?」


「いらない。来て。」



環方くんは弱々しく私を掴んで、2階へ登った。