「何……してんの……?」
「除菌。」
「アハハ……」
「で、最後はどこだっけ?」
「もういいですっ!」
環方くんはいたずらっぽく笑った。
環方くんは私のブラウスのボタンに触る。
「な、何!?」
「じっとしてて。元に戻すから。」
「あ、うん。」
環方くんは外されたボタンをかけ直してくれた。
「護身術……役に立たなかった……。」
「だから言ったろ……。」
授業はいつの間にか始まっていたみたいだった。
「怖かったっ……」
環方くんはもう一度私を抱きしめる。
「大丈夫。俺が守ってやるよ。」
優しく耳元で囁く甘い声に安心して、目からは涙が落ちていた。