茅side
とある平日、放課後。
私はいつも通り、図書室の奥で環方くんと密会している。
「お前、今度は何読んでんの?」
環方くんは私の読んでいる本を指差して言った。
「護身術の本だよ。
自分の身は自分で守らねば、と思って。」
「へぇ~」
「ね、ねぇ。ちょっと試してみてもいい?」
「痛いのはやだ。」
「痛くないようにするから!お願いっ」
頭の上で両手を合わせる。
「まぁ、いいけど……。
あんまり密着すんなよ?」
「なっ……しないよ……」
なんでそういう方向行くんだよ……//
「えっと……じゃあ私の手首強く掴んで?」
「ハイハーイ」
ちょっとドキッとしたけど、
今は考えないようにした。