「付き合ってもないのに……

こんなこと……。」



でも茅は抵抗しようとしなかった。



「うん……。ごめん……」


小さなこいつをさらに強く抱きしめた。



その時、茅は腕を俺の背に回し、セーターをぎゅっと掴んだ。


これはもう、俺のこと好きだろ。


好きじゃないやつにこんなこと……

しないだろ?



俺は茅から身を離し、肩を掴んで向き合う。



茅の顔は真っ赤だったが、今度は目を逸らそうとしなかった。



少しずつ茅の顔に自分の顔を近づける。



静かな空間。