茅side




季節は5月。


高校初の行事は……





「よし、体育祭の種目決めやるぞー!」


担任の先生が黒板に種目名を書いていく。



「茅~、どれ出る?」


席を立って千夏が来てくれた。


「ん~っと……あたし足遅いからな……。」


とりあえず足の早い人から50メートル走とか本気系の種目を埋めていく。



残ったのは2人3脚と借り物競争。


「ちょうど2人で2人3脚行けんじゃん!
どーする?茅。」



「いや、でも私トロいし……。
千夏の足引っ張るよ……。」



「大丈夫だよ。私が茅を引きずって走るから。」



あれ、すごく可哀想な絵面が浮かんだ……。




「じゃあ、私達2人3脚!」



千夏が先生に向かって叫び、私達の名前が書かれた。