「茅」


俺が近づき、名前を呼ぶと、化け物でも見たかのように怖がって、
隣にいる竹田の影に隠れた。


教室が少し静かになった。


みんなが聞き耳を立てている。



「ちょっと、こっち来て!」



竹田が空気を察して、俺と茅を教室の外へ連れ出した。