咲哉side
坂木 茅
正直こんな風に図書室で会うようになるなんて思わなかった。
こいつの本に興味を持ったのは事実。
理由はスゲー顔で号泣してたから。
そしたら嬉しそうに本のことを話し出して、
不意に笑うから。
あんな柔らかく笑う女、初めて見た。
だから俺は明日からも来い、と言ってしまった。
せっかくの一人きりの時間を棒に振った。
正直結構後悔したけど、
次の日また話してみたら、やっぱり面白いやつだった。
急に運命論を語りだした。
ホント面白い。
ただ面白いだけなのに……
なんとなく触れたくなった。
俺の線路に
乗せたくなった。