**** 「えっと……じゃあね……」 「ああ、おやすみ。」 環方くんは私を家まで送ってくれた。 ああ! 公共交通機関でキスなんかしてしまった……! いや……フツーかな。 フツーか……。 遠ざかる環方くんの背中をじっと見つめる。 『愛してる』 確かに聞こえた 愛の言葉。 また鼓動が速くなる私を知ってか知らずか 環方くんはなにかを思い出したように 踵を返して戻ってきた。