キーンコーンカーンコーン………… 下校時間を知らせるチャイムが鳴った。 「か、帰ろ。 図書室閉まっちゃうよ!」 私は環方くんを避けるように立ち上がった。 「ああ……」 ああ~、緊張した! 恥ずかしかった! 図書室を出て、二人で昇降口へ無言で向かった。 人はいないみたいで、私達が一緒に歩く様子を見る人もいなかった。 「じゃ、じゃあね……」 自分の家の方向へ歩き出そうとすると、 ガシッと腕を掴まれた。