「何?」 少し苛立ちを露にして北島を見た。 「あんな子のどこがいいの!? このまままた付き合っちゃおーよ!」 「別に……俺、お前のこと好きだと思ったこと一度もなかったんだけど。」 「なんで……」 「中学の頃、お前が言ったんだ。 好きになってくれなくてもいい、って。」 「でもあの子よりも私の方がずっと……!!」 俺は北島の手を振りほどいた。 「ウザい。」 北島は口をあんぐり開けて放心している。 構わず俺は歩き出した。