「彼女ちゃん遅いね~」 北島が笑顔で俺の顔を覗き込む。 「そうだな。」 もう20分は経ってる。 迷ってんのかな……。 「電話してみる。」 電話をしてみても、発信音が続くばかりで 出なかった。 気づいてないのか……? それとも……。 「おい北島。 もうここまでだ。友達も心配してんだろ? 俺、茅のこと探すから。」 「何それ……。」 「じゃあな。」 北島は立ち上がった俺の手を掴んだ。