そしてその日の帰り。

職員室の前で、川上先生とすれ違った。



「横内!」


「はい!」


「お前、今回のテストよかったじゃん!」


「ええ?」



そう。

春休み明けすぐに、課題確認試験があった。

今度こそ、去年のリベンジだから。

春休み中、頑張って勉強したんだ。



「出来てました?」


「出来てた。ほんと、信じられないくらいよかったぞ!明日返すからな!」


「はい!」



それで先生と別れて、先生の言葉を胸の中で何度も再生していたら―――



―――明日返すからな!



えっ、それって、もしかして!!

つまりは、明日の授業でテストを返してくれるということで。

ということは、先生が返してくれるということで。


ってことは!!


先生が教科担任ってこと???



思いがけず、みんなより先に、先生が教科担任だって知った。

晴子に、やっと春が来た!

この時ほど、嬉しかったときは、ないよ―――