──すぐに帰れると思ってた。
グイッと腕を引っ張られ、ドンッと壁に押さえつけられた。
「お前、お礼も出来ないのか?」
「……。」
声が出なかった。
顔が近くて、そこまで気がいかなかった。
多分、顔が赤いだろう。
熱いのだから。
「聞いてんだけど?お礼しろよ?」
「な、にをすれば良い訳?」
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「俺の女になれ。」
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「…はぁ?」
沈黙の後出たのがその一言だった。
「はぁ?じゃなくて。返事。」
「…アンタだけは絶対ムリ!!」
「誰が助けてやったと思ってんだよ…。
…まぁ良い。俺がオトせば良い話だ。
覚悟しとけ。」
その後は、イマイチ覚えていない。
告白なんて、しょっちゅうされてるのに。
アイツの告白は、何か…何かが違った。