「あなた、何様のつもり?」


女とは思えない程、低い声で…。

その声には、怒りを感じる。


しかも……。



「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!」

物凄い力で手を捕まれている。
正確には、手首だけど。

「さっさと謝れば良いのでは?」

満面の笑みに恐怖を感じる。

…この人、怖い。

視界がぼやけてきたよ…。


溢れそうな涙を目にいっぱい溜めて、出来る限りの声を振り絞る。

「や……めてよ………。」

「あら、泣きそうになってるじゃない。
 強がっていたのは気のせいかしら?
 ウフフフフフ。」

「やめてって言ってるじゃない…。」


それでも、笑顔のままな所が怖い。

「だ…れか………っ…。」