『どうかなされましたか？』

「あっ！あの、恥ずかしながら…
　…迷っちゃったんです。
　家に帰りたいんですけど…。
　出口、教えてもらえませんか？」

『もしかして、坊ちゃんの彼女様でございますか？』

ん？今何て言った？
彼女って言った？
いや、それはないだろう。

「あのー。失礼ですが、もう一度言って頂けませんか？」

『彼女様ですよね？桧莉様だったような。』

「あー、はい。そうです。」

ちっ。何だよ一ノ瀬翔！
彼女じゃないしっ！
何で私がっっっっっ！
せっかく見直したのに。
マジ、ふざけてんだろ。

ウザｯ。

『やはり、そうでしたか。
　坊ちゃんとはどうされたんですか？』

「えーっと…ケンカをしてしまって…。
　今日は、ちょっと…。」

『そうでございましたか！
　かしこまりました。こちらです。』

「はい。ありがとうございます。」

そんな訳ないだろ？
べぇーっ！だ。

心の中で悪魔を出現させる、桧莉だよ！
よろしくね！

って言い、自己紹介してやりたいわ！

非常に機嫌が良いと言っても過言ではない、上機嫌の桧莉です♡