「ひっろぉ~いっ!!すごぉい!」

「どっかテキトーに座ってて。
 飲みもん取ってくる。何が良い?」

「えーっと…美味しい物!」

「バカか、お前は。
 全部美味しいに決まってんだろ?
 苦手なもんは?」

「野菜…。」

拗ねたように言ってみると、

「悪かったよ。分かった。
 持ってくっから。待ってろよな?」

「うん…。」

ガチャンとドアが閉まる。
それと同時に、もの凄く恥ずかしい事を言ってしまったような気がする。

「うぁーっ!何でだろ?」

あまりにも広かっからか、テンションが上がった。

そのテンションが上がってくれたおかげで、普段言わないような言葉が私の口から出てきてしまった。

だから……。

まぁ、いっかー。


それにしても、広い部屋…。

部屋の中はとても綺麗で、モノトーンで統一し難しそうな本がズラーッとならんでいる。

その中の一つを手にとってみたが、とてもじゃないが、私には理解出来そうもない。

それを一ノ瀬翔が読んでいるんだとしたら、一ノ瀬翔もすごいところがあるという事になる。

感心していると、ガチャリとドアが開いて、一ノ瀬翔が入って来た。
まぁ、一ノ瀬翔の部屋なんだから当たり前の事なんだけど。

でも、驚いた事に飲み物を手に持たずに来た。

「ど、どうして…?」

たいして飲みたかった訳でもないが…

そう、口にしてしまったのは言うまでもない。