『…と!宮本!』
「んぁー?」
はっ!しまった!
げっ…。
一番めんどいと噂の古文の下沢(シモザワ。古文の先生)が目の前にいた。
それも強烈な笑顔で。
「うぁっ!」
つい、声を出してしまったのは、下沢の笑顔にだ。
キモいぐらいにどす黒いオーラを放っていたのだから、声が出て当然だ。
『ぼーっとしてないで、ちゃんと聞いて下さいね!』
「あ、はぁ。」
ツイてないなぁ…。と思ったけど、ツイている事に気づいた。
今日は、注意だけで済んだから。
=機嫌が良いって事になる。
何で機嫌良いんだ…?
あっ!
下沢は、今度40歳にしてやっと独身から解放されるのだから。
つまり、結婚するという事。
相手は、20も年下の男だとか!
よく捕まえたもんだよな。
という事で機嫌が良いと見なされる。