おっちゃんは旧友に会いに行き、それから兄弟の所へ行った。



…もう戻ってきてくれないのか。







夕方

おっちゃんは帰って来た。


今朝はびっくりさせてごめんねと、私に謝ってくれた。




その夜、おっちゃんと母と私…

3人で年末の時代劇を観た。


その主人公は、気遣いや心遣いをして、出世していったという…

気遣いや心遣いは大切だよと、おっちゃんは私に教えてくれた。



でも私はその時、その言葉を素直に聞き入れることが出来なかった…。

人に気を遣ったり、心遣いをしても、有難迷惑…ということもしばしば。



私は自分が傷つくのが恐かったのだ…。






朝、母と喧嘩をしたからおっちゃんは、テレビを観ている母の後ろで、私に何か「見てみろ」と。


それは…こたつに貼っていた「猛犬注意」のシールだった。

おっちゃんは「犬」の部分に「妻」と書いた紙をのっけていた。



「猛妻注意」