「さっそく、来週に1年1組から始めます。1年生にとってはいきなりですが、わからないところは先生や上級生に聞いてください」


「「「はいっ」」」


元気のいい返事。それは主に女子の声だった。


原田先輩にあっという間に心を持っていかれた女子は私だけではないとわかる。


それを先輩たちは感じ取り、クスクスと笑った。「さすが奏汰だ」と。


だけど、当の本人の原田先輩はそんなことは気にも留めずに説明を進めていく。


テキパキと進められていき、すぐに終わり1年生と2役を残して先輩方や先生は図書室を出て行った。


「ある程度、ここの説明をしたいと思います」


と、本の配置の仕組みや貸し出しや返却方法を教わった。


私は1組だからさっそく当番だ。抜け目のないようにしっかり聞く。


その横で柴崎くんは私と同じように当番をするのに、どこか気が抜けているように見えた。


もう、しっかりしてよ…!


だけど実際には何も言うこともできず、ただ内心イライラしていた。