席に戻ってきた杏ちゃんに私は「ごめんね」と小声で謝った。


「ううん、残念だけど…仕方ないよ」


…うぅ~……。


保健委員になれなかったから、次は何にしようかと考えた。


すると、図書委員の立候補者を募っているときに誰も立候補していないことに気が付いた。


「…じゃあ、図書委員は後回しに……」


委員会の先に決まった委員長の子がそう言いかけたので私は急いで、


「は、はい」


図書委員に立候補した。


「ん、じゃあ図書委員決まりっと」


今度はすんなりと決まってよかった。またジャンケンになって余った委員会に入れられちゃうのは避けたかったから…。


「よし、桐山さんと柴崎くん、よろしくね~」


え、柴崎くん?


どうやら私と同じようにギリギリのタイミングで手をあげた男子がいたようだ。


どんな子だろう、と思いながら見てもまだ顔がわからないのに周りを探した。


だけど、右隣の列の後ろの席に座っている男子が目にかかった。


ビクッと思わず体を震わせてしまった。


え、あの人すんごい私のこと睨んでる…?!


そう思っていると今度は顔をフイッと私から顔を逸らした。


な、なんなのあの人……!!