スクバを机の横に掛けてから椅子に座る。


…はぁ……。


みんなが仲良さそうに話している声が辛い。


中には私の方を見て「あの子誰だろ?」と話している子たちもいた。


…ああ、誰かに声掛けなきゃなぁ…。


でも緊張でなかなか勇気が出ない。


なんてしていると、教室のドアが開く音がして「おはよー!」と言う元気そうな女の子の声がした。


そしてその子であろうと思われる子が私の前の席に着いた。


ショートカットの細身の女の子だった。


少しその子に声を掛けようかと思いながら見ていると、その子が突然くるっと振り返った。


ビクッ


さっきまで見ていたものだから目が合って驚いてしまった。


「あれっ?小学校違うよねぇ?」


くりっとした大きな目が私をじっと見つめてくる。


「う、うんっ。私、東京から来たの」


「えぇっ!東京?!遠い所から来たねぇっ」


なんだか人見知りをしなさそうな子だなぁ…。