ドアをノックして、いつもと同じ202と記された部屋を開ける。

202号室、わたしの幼馴染の涼太の病室。
わたしは毎日ここに来るのが日課になっていた。

「涼太、今日は来るの遅くなっちゃってごめんね!
日直で雑用押し付けられちゃって…」

「いや、気にすんな…っていうか、無理して毎日来なくていいんだぞ?」

「無理なんかしてないよ!わたしが来たいから来てるんだから!」

「…そっか…さんきゅ」

そう言って、涼太は寂しそうに笑う。
この寂しそうな笑顔が、わたしの心をいつも締め付ける。
特に今日は、涼太の様子がどこかおかしかった。