彼女が振り向いた。
遠くで見ても綺麗だったけど、近くで見たらもっと綺麗だ。
彼女は、目を丸くして驚いていた。
もう一度聞いてみよう。
「岡崎さん…だよね?」
僕、なにしてんだろ。
いきなり知らない男に話しかけられても困るよな。
「そうですけど…」
そういって、僕を睨みつけた。
見かけによらず、気強そうな人だな。
いい人そうだけど。
「僕…優太!高橋優太!」
とりあえず、名前だろ。
岡崎さんは、なにかを考え始めた。
それから、口を開いてくれた。
「私は岡崎菜由。」
知ってるって。
僕は笑ってしまった。
「知ってる。さっき名前呼んだじゃん。」