「はぁっ・・・はっ・・・」


数歩歩いて、そっと立ち止まった。



ついに着いた。

山頂だ。






――ふわっ


風が、あたしの髪を舞い上がらせた。




気持ちいい。






風は優しく優しくあたしの頬を撫でる。


あたしの汗を乾かす。





そしてきっと――


あたしの、間抜けな想いも。



どこかへ吹き飛ばしてくれるんだろう。





だからあたしは。


風を感じるために、風に吹かれるために。



今日も走るんだ。






*風に吹かれて END*