一体誰が。



彼女のいる人に。


幸せそうな人に。




気持ちを伝えて、迷惑かけるんだ。






まだ、あと一年、一緒にいるのに。



一緒に走るのに。




気まずくさせて、どうするんだ。










「はぁっはぁっ」




あとほんの少しで山頂。



そして頬を伝う、生暖かい液体は。



きっと、汗だ。


涙なんかじゃない。




絶対絶対汗なんだ。



だってあたしは、泣き虫じゃない。