一生の恋バナ【続編】




ようやく記憶を取り戻し


晴れてカップルになった美紅と類。


“一生の恋バナ”という


恋愛番組に出演したため


半年遅れの高校生活が幕を開けます…




美紅side



「美紅おっはよ~!」


玄関を開けると幼なじみで親友の


如月 れいら(きさらぎ れいら)


そして…


「ったく…いつも美紅はおっせえな…」


そう言ったのは


同じく幼なじみで…


一週間前に付き合ったばかりの彼氏


星野 類(ほしの るい)


私は何年もかけて類の彼女になった


色々と…あったけどね。



私「今日はもう準備できてるもんねっ」


れいら「はいはいっ

いいから、急いで学校行くよっ」


私「はーいっ♪」




学校に着くと


「「おっはよー美紅っ♪」」


声をそろえて私に挨拶したのは


私「友美っ奈々!おはよ~♪」


小学校の頃からの親友である


五十嵐 友美(いがらし ともみ)


上林 奈々(かんばやし なな)


だった。


高校では、主に私とれいらと友美と奈々の


4人で一緒にいた。



友美「てかさ~美紅どんまいだよねっ」


私「え?何が?」


れいら「あっちゃー…美紅聞いてないんだね」


奈々「今日から2週間美紅は放課後に補習!」


私「え!な、何で?」


れいら「何でって…美紅は半年間

授業受けてないでしょ?」


確かに…半年間ほど“一生の恋バナ”という


恋愛番組に出演のため授業受けてないけど…


奈々「まあ、類くんも一緒だし…

美紅的には嬉しいかもね♪」


えっ…


私「待って!れいらは?」


れいら「残念ながら、成績優秀のため…

見逃されちゃった♡」


は、はあ!?



─放課後


友美「れいらっ奈々っオケ行こ~♪」


私「え!私も行く~」


れいら「だーめっ。ちゃんと補習受けてね?」


友美「そうだよっ!受けないと留年だよ?」


奈々「イケメン彼氏の類くんと頑張ってねっ」



そういって、3人は行っちゃった…



「おい美紅っ」


私を呼んだのは類だった。


私「あ。類っ!何時から補習なの?」


類「4時半くらいからだから~

あと20分くらいあるなっ」


私「えっ!それまで暇じゃんっ」


類「じゃあ、話してよーぜっ」


類は私の前の席に来て、私の机に伏せた。


私「えっ!話すんじゃないの?寝んの?」


類「ちょっとねみー…5分前に起こして」


何て勝手なやつ…


てか…私達付き合ってるんだよね?


類、前と変わんない…


ってよりむしろ私の扱いひどくなってる気が…


私「ちょっと自販機行ってくる…」


そう言って席を立って行こうとしたら


ガシッと類に手をつかまれた。


私「類…?」


類「行くなよ。

飲み物なら俺のカバンにあるから」


そう言って類は


カバンからミルクティーを取り出してくれた。


でも、これ飲んだら間接キス…だよね?


ドキドキしながらも


私「ありがとう」


一口飲んだけど…


類は間接キスって気付いてない?


そんなことでいちいち気にしない…のかな?




5分前になり、類を起こした。


すると、男の人が入ってきた…


私「あれ?」


類「誰っすか?」


「君たちの補習を担当する

白川 慶斗(しらかわ けいと)です

ちなみに、今日から

この学校にお世話になってます」


てか、この人めっちゃ若い!!


しかも、いい感じのイケメン。


私「よろしくおねがいします!

桜井美紅です」


類「星野類です…

ってか、先生いくつ?」


白川先生「今年で23かなっ」


私「じゃあ、もしかして新米教師って

いう感じですか?」


白川先生「そうそうっ

まだ慣れてなくて…

わかりにくかったらすぐ言ってくださいね?」


私「はーいっ♪」


類「いいから…早く授業始めようぜ」


不機嫌そうな声で類が言った。








類side


今日から補習。


だるいけど…


彼女の美紅と一緒だから


俺は喜んで受ける。


って…


俺、浮かれすぎてねえか?




放課後になった。


補習開始まであと20分。


美紅と2人きり…


落ち着かねえな…


俺は美紅の机に伏せて寝ることにした。


すると、


美紅「ちょっと自販機行ってくる…」


俺はすぐさま、美紅の手をつかんで


俺のカバンからミルクティーを出して


美紅にやった。


美紅は顔を赤らめながら一口飲んだ。


─間接キス


頭の中でその言葉を浮かべるだけで


ニヤついてしまいそうになる。


だから、俺は気付かないふりをして


また机に伏せて寝た。


しばらくすると、


5分前になったから美紅が起こしてくれた。


教室に入ってきたのは…


20代前半くらいの優しい雰囲気の


イケメン…


え?こいつが先生?


てか、美紅めっちゃ顔赤くねえか?


クソッ…


俺なんかより白川の方がいいって


言われたらどうしような…





美紅side


やっと補習が終わり、時計を見ると


夜の7時を回っていた。


先生に挨拶をして私と類は下校した。


帰り道…


私「白川先生の授業わかりやすかったね!」


類「うん」


私「しかも、全教科教えられるなんて…

すごくない?」


類「そうだな…」


類…めっちゃ不機嫌。


私「ねえ、何でそんなにいらついてんの?

私…なんかしたっけ?」


類「バーカっ…」


どうしよう…思い当たるとしたら…


私「間接…キス嫌だった…?」


類「そんなわけあるかよ!」


私「じゃあ、何で…」


やばい、こんなことで私は


泣きそうになってる…


類「美紅が…あいつと仲良さげにしてるから」


私「え…?あいつって白川先生?」


類「それ以外誰いんだよ…」


類…もしかして


私「やきもち?」


類「ばっ…そんなんじゃねえよ」


やばい…


類がやきもちやいてくれるなんて…


めっちゃ嬉しい。


私だけ、付き合って意識してると思ってたけど


類も意識してくれてた…んだよね?


私「もっとやかせたくなるな~♪」


類「だから、やいてねーよっ!」


類もやきもち…やくんだ。


ちょっと意外だったけどとても嬉しかった。