一生、ともに。




その言葉を最後に、沙霧はこと切れた。




ずしりと重くなった沙霧の腕の中で、泡雪は静かに泣いた。




もう間もなく命の灯火が消えることは、自分でも分かっていた。




それなのに、涙は流れつづけた。




からからに乾ききるまで、涙は尽きない。




泡雪は緩く瞬き、沙霧の顔を見つめた。





初めて愛した人。



唯一、愛した人。





こんな最期を迎えるとは思ってみなかった。




でも、離れ離れにならずに済んだ。



それだけが、救いだった。





天寿を全うするまで、幸せな日々を紡いでいきたかったけれど。





それでも。






「ーーーお前に愛してもらえて、本当に幸せだった。


ありがとう、沙霧………。



愛している。


愛している。



お前は、私の、すべて………」