「………わ、ゆき……はや……っ、く」
途切れ途切れに言う声を無視し、泡雪は沙霧のもとに駆け戻った。
「だめだ! 私は、お前と離れたら……」
そのとき、沙霧の身体が崩れ落ちた。
降りしきる雪の中、ぐしゃりと倒れ伏す。
完全に意識を失っていた。
背に受けた矢傷から流れる血が、唇から溢れる血の赤が、純白の雪を穢す。
「…………沙霧っ!!」
泡雪がどれだけ揺さぶっても、沙霧は反応を示さなかった。
掴んだ肩が、握った手が、急速に冷たくなっていく。
それに気がついたとき、泡雪は我を失った。
「…………さない………」
泡雪はゆらりと立ち上がり、黒鶴たちを虚ろな瞳で見つめた。
「………許さない!!」
声にならない叫び声を上げて、泡雪は男たちに突進した。
男たちは慌てて刀を抜く。
風よりも速く、無我夢中で駆け寄ってくる泡雪を、恐怖に狂った面持ちで攻撃した。
途切れ途切れに言う声を無視し、泡雪は沙霧のもとに駆け戻った。
「だめだ! 私は、お前と離れたら……」
そのとき、沙霧の身体が崩れ落ちた。
降りしきる雪の中、ぐしゃりと倒れ伏す。
完全に意識を失っていた。
背に受けた矢傷から流れる血が、唇から溢れる血の赤が、純白の雪を穢す。
「…………沙霧っ!!」
泡雪がどれだけ揺さぶっても、沙霧は反応を示さなかった。
掴んだ肩が、握った手が、急速に冷たくなっていく。
それに気がついたとき、泡雪は我を失った。
「…………さない………」
泡雪はゆらりと立ち上がり、黒鶴たちを虚ろな瞳で見つめた。
「………許さない!!」
声にならない叫び声を上げて、泡雪は男たちに突進した。
男たちは慌てて刀を抜く。
風よりも速く、無我夢中で駆け寄ってくる泡雪を、恐怖に狂った面持ちで攻撃した。