永遠のように感じられる時が過ぎていく。




落ち着きなくうろうろと動き回る泡雪を、玉梓は群雲を抱きながらじっと見つめていた。




あまりにも不安げな様子なので、





「そんなに気を揉んだら、身体に悪いわ。

疾風たちが戻るまで座っていらっしゃい」





と声をかけた。



泡雪は素直に玉梓の隣に腰を下ろしたが、やはり険しい表情で物思いに沈んでいる。




膝の上できつく握り締めた拳が、かたかたと細かく震えていた。




玉梓は思わずその手を包み込む。



ぱっと顔を上げた泡雪の琥珀色の瞳は、今にも泣き出しそうに潤んでいた。





「………やっぱり、だめだ。

私が行かないと………」





誰に言うでもなく泡雪は呟き、ゆらりと立ち上がった。



玉梓が眉をしかめて、止めようと手を伸ばす。



泡雪は静かに首を振って、玉梓の手から逃れた。





「止めないでくれ。私は行く。

沙霧を探さないと………」