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それから一月ほどは、穏やかに過ぎた。
ずいぶんと大きくなってきた疾風と玉梓の赤子、群雲に会いに行った帰り、泡雪はふと足を止めた。
耳を澄ますように目を閉じ、感覚を研ぎ澄まして周囲の気配を探る。
今日は天気が良く、すぐに探り出すことができた。
泡雪は周りに視線を走らせ、誰もいないことを確かめると、ふわりと宙に浮かびがる。
そして、長い髪を靡かせ、風のように飛んて行く。
「………いた」
遥か上空から、泡雪は目を凝らした。
真っ白に輝く雪原を横切る、複数の足跡。
その先には、ものものしく武装したたくさんの男たち。
雪山にはおよそそぐわない、怪しい姿だった。
(………なんだ? あいつらは)
こんなところに何をしに来たのか。
泡雪はしばらくの間、険しい表情で彼らを観察したあと、矢のように飛んで仲間のもとに戻った。