日が暮れると、雪も風も徐々に強さを増してきた。




自分の寝床に戻ってからも、泡雪は外に注意を向け続けていた。





何かがいつもと違う。



しかし、はっきりとは分からない。





必死に外の音に耳を凝らすが、






(だめだ………風が強くて、耳も鼻もきかない)






泡雪は眉をひそめて藁の上に身を横たえた。





何か不穏なものが山に入ってきたのは間違いがなさそうだが、動物にせよ、人間にせよ、こんな吹雪の夜に動き回るはずはない。






(また明日、探りに行こう)






泡雪はそう思って、小さく息を洩らした。




それから、沙霧の作ってくれた櫛で髪を梳り、ゆったりと目を閉じた。