困ったような顔の泡雪を見て、沙霧は可笑しくなってしまう。







「君にはまだ冗談は早いようだね」





「…………ん」






泡雪は素直にこくりと頷いた。






氷見は「へいへい、お熱いこって」とからかいながら、手を振って立ち去った。








「ーーーさて、泡雪。


わたしは今から、玉梓の手伝いに行くよ。


君もついて来るかい」






「ん」







沙霧が頷いて歩き出すと、泡雪も慌ててぱたぱたと後を追った。







玉梓は炊事場で朝飯の準備をしていた。






「玉梓、おはよう」





「あら、沙霧、泡雪。


早いのね」





「早起きは三文の徳。


なにか手伝えることはないかい」





「そうねぇ………」





「水汲みにでも行こうか」





「あぁ、じゃ、お願いしていいかしら」






沙霧はにこりと笑い、二つの水甕を両手に持った。