残念そうに呟いてから、沙霧はあっと思いついたように顔を輝かせた。







「そうだ!!


櫛を作ってあげよう!!」






「…………くし?」







泡雪は怪訝な表情で沙霧を見上げる。





それには構わず、沙霧はにこにこと笑って泡雪の手をとった。







「そうだよ、櫛だよ。


そんなにも美しい髪なんだから、梳かなくては勿体無いよ」






「知らない」






泡雪は首を横に振った。






「そうか、櫛を使ったことがないのか。


わたしが見せてあげるよ。


気に入ってくれるといいんだけどね」






「…………ん」







泡雪はこくりと頷いた。






「さて、善は急げだ。


さっそく材料を探しに行こう」








沙霧は泡雪の手を引いて、すたすたと歩き始める。




泡雪はぱたぱたとついて行った。