小さく呟いた少女は、すぅっと手を上げた。




きれいにそろえられた指先が、真っ直ぐに沙霧のほうを差す。






沙霧は少女の意図が分からず、白く繊細な指先をぼんやりと見つめた。






強い風が吹き、少女の真っ白な髪がぶわりと舞い上がる。




その髪で少女の顔は隠れてしまい、沙霧からは表情が窺えなかった。






無言の二人の間を、細かい吹雪が踊るように、舞うように吹き抜ける。







そのとき突然、少女の身体に変化が現れはじめた。







「……………あ」







沙霧は思わず声を上げる。





少女のほっそりとした身体の輪郭が、ぼんやりと白く光を放っているのが分かったからだ。