はっと目を丸くした沙霧は、慌てて身を起こして泡雪を見た。





白狐のままの姿で、泡雪が「早く」と急かす。







「あ、あぁ。



………ほら、ゆっくり飲むんだよ」







泡雪は横たわったままうっすらと口を開き、沙霧が持った竹筒から注ぎ込まれる水をこくこくと飲んだ。







「ーーー喋れるようになったのか」





「……………」







嬉しそうに微笑む沙霧をちらりと見た泡雪は、何も言わずにゆっくりと瞬きをしただけだった。





沙霧はふっと笑みを洩らし、泡雪の頭を優しく撫でる。




泡雪は迷惑そうに目を細めたが、されるがままになっていた。