純白の雪に散った椿の華のごとき赤い染みは、点々と続いている。





沙霧はその痕を辿って、よろりと歩き始めた。





血の道はどこまでも延びていき、林の奥まで続いていく。





残された血痕は、徐々に大きくなっているようだった。






(………どこまで続くんだ、一体………)





沙霧の不安が頂点に達した頃。






「ーーーーーっ!!」






沙霧は息を呑み、身を震わせた。






ーーーーー雪の中にもひときわ白い狐が、力なく埋ずもれるように横たわっていた。