沙霧は雪穴に足を取られ、雪の中に倒れこんだ。






「…………い、たた………」






転んだ拍子に、頭に被っていた笠の顎紐が解けてしまい、剥き出しの顔と頭が雪に埋れてしまった。





あまりの冷たさに、心臓がぎゅっと縮まったような感覚になる。






「………び………っ、くりしたなぁ」






両手をついて上半身を起こし、頭を振って、纏わりついている雪を落とす。





そして今度は足を立てて、雪穴から脱けだそうと試みるが。






「ーーーーーっ!!」






沙霧は声にならない呻きを上げた。






(…………い、痛い!!)






足を動かした習慣、足首に激痛が走ったのだ。






(…………まさか、これは、挫いてしまったのか………)