*華月譚*雪ノ章 若宮と白狐の恋物語
ファンタジー
完
1
- 作品番号
- 1015306
- 最終更新
- 2016/05/15
- 総文字数
- 173,149
- ページ数
- 400ページ
- ステータス
- 完結
- PV数
- 205,412
- いいね数
- 1
雪深き白縫山
古い知り合いに会うため
山奥へ足を踏み入れた青年ーーー沙霧は
雪壺に嵌って行き倒れたところで
純白の少女ーーー泡雪と出会う
不思議な力を持つ彼女は
いったい何者なのか
人ならぬ妖なのか
それでも沙霧は
どうしようもなく
泡雪に惹かれていく…………
しかし
惹かれあう二人から遠く離れた都では
沙霧をとりまく陰謀が
ひそやかに進行していた
<華月京シリーズ其の零>
『*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語』
の番外編になりますが
本編未読でもお楽しみ頂ける内容です
「白縫山の火影童子」灯(アカリ)の
出生秘話。
この作品のレビュー
このお話は本編「華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語」の番外編にあたります。 本編は天真爛漫、破天荒な貴族の娘 汀(みぎわ)と無口で無愛想な盗賊 灯(あかり)の初々しくも可愛いラブコメディです。いつも突拍子のない言動の汀に振り回される灯がとても可愛く、ずっとずっといつまでも2人が一緒にいられますように。 そして、今作は本編の番外編ですがそんな灯の両親のお話。こちらは本編とは違い切なく儚く悲しいお話です。 大人で優しい皇子 紗霧(さぎり)、不思議な力をもつ妖狐の少女 淡雪(あわゆき)。 そんな2人が出会い、惹かれてあって愛し合う儚く悲しい恋物語。 そんな2人の数奇な運命には読んでいて涙が溢れました。 でも愛し合ったからこそ灯が産まれた。 本作へと続がれる大切なお話。 本編、番外編の今作ともに読みやすくどんどんと引き込まれるそんな素敵なお話です。どちらともぜひご覧下さい。
帝がおわします宮中は、陰謀の蔓延る魔窟。 盗賊の棲み付く山郷は、真心に満ちて平穏。 都を逃れて身を隠す皇子と、孤独に生きてきた白い妖狐。 雪深い白縫山で出会う二人の、美しく儚く悲しい恋物語。 容貌にも学問にも優れる皇子、沙霧。 彼の優しく大らかな為人に魅了されます。 また、純白の容姿と妖の力を持つ少女、泡雪。 野生的で素直で一途な彼女は、本当にかわいらしい。 惹かれ合う二人を見守る白縫山の面々は温かく、一方、宮中の暗澹たる人間模様には胸が冷えます。 皇子・沙霧と妖狐・泡雪の数奇な運命を描く平安王朝風ファンタジー。 灯の物語へとつながる、これは始まりの物語です。
この作品の感想ノート
♪氷月さま♪
レビュー&ご感想ありがとうございました。本当に文学的で素敵なレビューに感激いたしました。
そして、逸勢さんをヒーローにした小説というチャレンジングさに脱帽です。知名度、低いですよね……まさに影が薄い笑
私は個人的に書道が好きなので、そちらのほうから逸勢を知ったのですが
三筆の中でも特に逸勢の筆跡が好きです。もう、伊都内親王願文に一目惚れしてしまって、必死に臨書した若き日。あの繊細で優美ながらも大らかで豪快な筆跡が最高です!
政治的には不遇な晩年だったと読んだ覚えがりますが、まさか怨霊にまで祀りあげられるほどだったとは……氷月さまのコメント、いつもとても勉強になります。ありがとうございます。
また雑談化してしまいそうなので、このへんで失礼いたしますね!
儚い、切ない……でも、とても美しい物語でした。
沙霧のちょっととぼけたところも優しいところも、泡雪のストレートで一生懸命なところも、本当に素敵でした。
宮中劇のリアルな陰険さがまた、白縫山での短く長閑なひと時を際立たせていますね。
切ない……(と繰り返して言ってみる)。
ところで。
逸勢さんファンがおられるとは!
私も好きなんです!
一族には嘉智子がいて、渡唐しても空海がいて、三筆としては嵯峨天皇の陰に隠れ、怨霊になっても菅原道真クラスじゃない。
という「微妙な影の薄さ」に惹かれて、逸勢がヒーローの和風ファンタジーを書いたことがあります。
詰め込みすぎでグダグダになりましたが(^▽^;
またほかの作品も読ませていただきますね。
『可視光の想い』、本棚に入れさせていただきました。
♪陽烏さま♪
いつもありがとうございます!
ひっそり始めていた番外編に気づいていただき、とっても幸いです。
応援ありがとうございます、がんばりますね(≧∇≦)
汐見 夏衛さんの書籍化作品
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