「そうなんですかぁ!仲良いですもんね!」



笑顔で、明るく振舞った。


私の気持ちが、バレないように。



「うん、それでねー。今日、後夜祭が終わったら、告ろうと思ってさ!」


「え…?」



私の顔は強張り、固まる。


体は、金縛りのように動かない。



「バンド解散してからじゃないと、何か気まずいじゃん?だから、後夜祭のあと!」


「そうなんですか…。頑張って…ください。」




“頑張って”


なんて、言いたくなかった。



今日、何度も自分に言い聞かせてきた言葉を、何故この人に言わなきゃいけないの?



「ありがとう!実は、昔付き合ってたんだけど、この前やり直そうって言われたの。その時は、私も彼氏いたから断っちゃったんだけど、最近また翼の魅力感じちゃってさ。頑張ってくるね!」



梓先輩は、笑顔でそう言って、休憩をとる翼先輩に駆け寄っていった。