「何やってるの?」
突然声をかけられ、驚きのあまり携帯を落としそうになった。
顔を上げるとそこには、グルゼのボーカル、梓先輩が立っていた。
「え!?えっと…。翼先輩の写メ、撮ってました…。」
「うっそ!見せて見せて!」
はしゃいで、私の横に座る梓先輩。
髪がゆるく巻かれ、クラスTシャツには、缶バッチや、かわいいボタンがつけられていて、他とは一味違った着こなしをしている。
いつも可愛い梓先輩だけど、今日はまた一段と可愛い。
翼先輩が、梓先輩にときめいたりしちゃうんじゃないかなって不安になったけど、さっきの様子を見ていたら、大丈夫そう。
『存在が近すぎると、逆に恋愛対象に見れないよ』って、結愛も言ってたし。
梓先輩にとっての翼先輩も、そうなのかもしれない。