「これ面白そうじゃね?」
「あ、見た見た!それ面白かったよ」
レンタルショップに着くと、あたし達はなんだかんだと話しながらDVDを選んだ。
感じる胸の痛みを隠すように、ずっと笑顔でいた。
あたしが笑ったら涼も笑うから…
だからずっと笑ってた。
だけどレンタルショップからの帰り道は、たまらない寂しさでいっぱいだった。
行きよりも早く感じる道のり。
今のこの時間が終わらないでほしいと心の中でずっと願った。
だけど…そんな願いは叶わない。
「じゃあな」
「うん、ありがと」
たどり着いた家の前。
隣の家の駐車場に自転車をとめた涼は…
「またな」
そう言って先に家へと帰っていく。
ねぇ涼。
またな…って、次はいつ?
こんな風に…また一緒にいられるのはいつなんだろう。
思っているのに口には出せないまま。
涼が家へ帰ったのを見届けると、あたしもすぐに家の中へ入った。