片付けも終わり、お店も閉めて
ヒナと私は外へ出た。
今日も街の人通りは多い。
今日も仕事は忙しかったから
外も人多いだろうなぁと思っていた。
そんな中小さなマガジンと睨めっこしながら
スタスタ歩くヒナさんに声をかけた。
「あの〜、今からどこ行くの?」
「えっとね〜、ココだよ!
どこにあるのかなぁ〜?」
と言いながらマガジンのページを開いて
私に見せてきた。
ページの端に折り目がついていたので
ずっと気になっていたのであろう。
するとそのページはイケメンボーイズばかり
写っているページだった。
「こ、これは…?」
「あのねぇ、男の子が経営してる飲み屋さんもあるんだよぉ?
知らなかった?
これはボーイズバーなんだよ!
ホストクラブと違って多分そんなに
お金かからないと思うから!」
ボーイズバー?
ホストクラブ?
「聞いたことはあるけど…」
「リンちゃんは行ったことないんだ!
ホストクラブは好きな男の子指名してお酒を一緒に飲むところだよ〜
ボーイズバーはカウンター越しで会話するガールズバーの男の子バージョンなんだよ!」
簡単に説明してくれたが
この時はなんとなく理解した。
金額はお客さんが出すお酒によって
お会計もピンからキリなのだ。
「でもやっぱ好きな男の子は
隣に座ってほしいよねぇと思って
ここのお店はちょっとホストクラブっぽい
らしいの!
それに気になる人もいるから
1人じゃ行きづらいなぁと思って
リンちゃん誘ったの!」
「そうなんだ、全然付き合うよ。」
「ありがとう〜!楽しもうね!」
ホストクラブはボックス席もあり
隣に座ってくれるのだ。
ただ金額は普通のお昼の仕事してる人には
少し厳しい値段でもある。
そのマガジンの開いたページに写る
男の子達はみんなイケメンだ。
私はこの中の1人を選ばなくちゃいけなくなり
なんだかいきなりの展開で複雑な気持ちになった。
私はここで楽しめるのだろうか…
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