そんなある日のこと。
今日は生憎の大雨。
もちろん飲み屋街も人通りが少なく
お店もいつもよりやけに静かだった。
お客さんが来ないと仕事ができない
業界なのでお客さんが来るまでは
一緒に働く女の子と会話していた。
因みに同級生は彼氏が出来て
彼氏に仕事がバレないようにするため
出勤日数が減ってしまい
会うことが少なくなっていった。
そんな中よく話をするのがヒナさんに
なっていた。
「今日暇ですね…」
私がぼそりと呟くと
ヒナさんは返事をしてくれた。
「そうだねぇ、雨だもんねぇ」
私はせっかく時間もあるし
ヒナさんと仲良くなりたいと思って
思い切って色々聞くことにした。
「ヒナさんはお家どこなんですか?」
「うち?
うちはここから電車で1時間以上かかるんだぁ」
私は驚いた。
そもそも私もこのお店に行くまで電車で30分は
かけて通勤していた。
「私も電車で来てるよ!ヒナさん遠いんですね!」
「うん、大変よ〜
と言うかリンちゃん何歳なの?」
「私は19です。」
「えぇ!?若いねぇ!いいなぁ」
…え?
ヒナさんと同い年ではなかった。
「ヒナさんはおいくつなのですか?」
「もう歳だよーぉ、23になったばっかり!」
…!!!
23には見えないルックスだった。
「え!最初タメかと思っていました…!」
「あはは。まぁ23とは
あんまり言われたことないけどねぇ〜…」
と苦笑いで答えた。
そうやってどんどんヒナさんと
仲良くなっていった。
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