「......はい。聞きます。」


「いいのかい?本当に辛い話に.......。」


「聞きます。父は真面目な人でした。こ


のままでは納得できません!」


わたしはもう、必死だった。


両親が死ぬかもしれない。


そんな恐怖、知りもしなかったから。


「そこまで言うなら.........。」


そう言って、黒崎は大きく息を吸った。


「簡単に言うと、薬だよ。君のご両親は


薬を飲んでいたんだ。」


「え?薬って。みんな飲んでるじゃない


ですか。なんで............?」


「薬と言っても、まあ、ドラッグという


のかな。麻薬とかそういう類のものだよ


。」


わたしは、景色が遠のいていくのを感じ


た。


.........なんで、自分の親に限って。


いや、なんで、自分に限ってこんなこと


になるんだろう。


あれは、幼稚園になる少し前だった気が


する。


隣に、同い年かもう少し年上の男の子が


いた。


その子の親が、突然死んでしまったのだ。


本当に突然だった。


久しぶりに家族旅行に行くと、男の子は


言っていた。


行き先は、北海道だと言った気がする。


それな、まさに不運としかいいようがな


かった。


北海道行きの飛行機が吹雪にあい、不時


着したのだ。


そんなの聞いたことが無いと、両親が男


の子の家族の無事を、躍起になって確認


していた。


結局、無事だったのは男の子だけだった。


帰ってきた男の子は言ってひどく憔悴し


ていた。


それから、しばらく男の子はうちにいた


が、いつの間にか何処かへ行っていた。


「さあ、ついたよ。」