「ああ、それから私を時雨さんと呼ぶのはやめろ。沙娜と呼べ。帝虎と狼茉も同じだ。」

「はぁ………」

いつの間にか俺の後ろにいた帝虎と狼茉は獣の姿で沙娜の両サイドに腰をおろしていた。


「沙娜さま!!!!」

突然ドアが開き、ナマズみたいな顔をしたやつが慌てながら入ってきた。

「どうした、ミザ。」

ミザと呼ばれたナマズ男は俺の存在に気づいていないらしい。

「ケルピー共が、人間の匂いがすると下まで来ております!!」