「・・・・・・・・・・頑張れば、優貴くんにお母さんとして認めてもらえるんじゃないか。 大貴とも結婚できるんじゃないかって考えた。 ・・・・・・・・でも、ワタシの頑張りってさ、結局優貴くんがワタシを『母親として認める』に至るまで、優貴くんに我慢を強いる事なのかな・・・・・・・って思えてさ。 どうしても認められないって事態になる事だって充分有り得るし。 そしたら優貴くん、我慢のし損じゃん?? ・・・・・・・・・・ホントはね、今でも諦めきれてなかったりする。 ・・・・・・・・でも、悩める時間もなくて・・・・・・・・NY支社異動の応募締め切りまで時間なかったし。 本当はもっと時間をかけて考えたかったんだけどね」







藍は、藍なりに短い時間の中で考え、悩んでくれていた。








「・・・・・・・・・・・・オレのせいでNYになんか行くなよ。 オレ、誰に何て言われても大丈夫だから」







藍の優しさに甘えて、藍をNYに追いやってはいけない。








「・・・・・・・・・・・何言ってんの?? 自分の為だよ。 自分の出世の為だよ。 言っとくけど、日本に帰って来たらワタシ、確実に大貴の上司だよ。 あ、でも、向こうでイケメン外国人の彼氏が出来たら戻らないカモしれないけど。 ・・・・・・・・って、まだ行けるかどうかも分かんないけど」








藍は、藍らしい優しくて気遣いのある強気な言葉を、『ニィ』と笑いながら言った。