「・・・・・・・・・・・大貴はさ、急に慰謝料請求したワタシの事、嫌なヤツだなーって思わなかった？？」







藍は、オレの質問には答えず、逆に聞き返してきた。







「思うワケないじゃん。　ただ、『１００万は痛いなー』とは思ったけど。　・・・・・・・・・剛が言ってたんだけどさ、１００万請求したのって藍のお母さんを説得する為？？　・・・・・・・・・ってゴメン。　剛に話した。　でも、剛だけだから！！　他のヤツには言ってないから！！」







話している途中で『誰にも言わないでって言ったのに』的な藍の白い視線に気付き、慌てて言い訳をする。







「・・・・・・・・・・どうでしょうね。　・・・・・・・・・嬉しかったよ。　大貴が渋りもせずに振り込んでくれた事。　別れてしまっても、ワタシへの優しさはまだあるんだなーって」








優しい藍は、自分の優しさを『どうでしょうね』という言葉で隠した。







優しいのはオレじゃない。







藍は誰よりも優しい。