有給を申請し、お通夜と告別式に出席する為田舎に帰る。







東京と違い、何もない。あるのは、山・川・海のTHE田舎。






昔はこんな田舎が嫌いだった。刺激が無さ過ぎて。






でも、今はこの緑いっぱいののどかさが嫌いではない。






生まれ育った場所は、やはり居心地が良く、落ち着く。







家に着き、喪服に着替える。







「もうすぐ大貴の結婚式って時にねぇ・・・・・・」







死んだのがオレの元カノである事を知っているオカンが、上着に袖を通そうとしているオレを手伝ってくれた。








「・・・・・・・・・・人が死ぬのは、いつであっても切ないモンだろ」







別に優子に祝福して欲しかったワケじゃない。







だから、死ぬタイミングを図って欲しかったとも、当然思わない。







だって、優子の訃報を聞くまで、優子を思い出す事はなかったから。






でも、死なないで欲しかった。 生きていて欲しかった。






高校時代に大好きだった人だから。